「佐藤可士和展」 at国立新美術館
企業ロゴを大きくしたり立体化した展示が圧巻。
整理が子どものころから好きだったという佐藤可士和が、撮っ散らかった顧客のニーズを聞いて、それを整理してデザインに落とし込んでいく様は見事。
大きな楽天パンダと写真を撮れるスペースがありました。
会場に流れる重低音のBGMがまたしゃれてた。
「佐藤可士和展行く~」って友人に言ったら、「え?佐藤可士和ってまだ活躍してる??」と言われました。
確かに、『佐藤可士和の超整理術』が出版された年代頃に比べて、名前を聞く機会は減ったかも。
しかしですよ。
ユニクロ、GU、セブンイレブン、ツタヤ、イトーヨーカドー、日清、楽天…これらのロゴのデザインはすべて佐藤可士和が手掛けてる。(そう考えると無印がそうじゃないのが不思議なくらいだ)
日常生活を送る上で、これらのデザインを見ない日はないと言っても過言ではない。
私たちは毎日佐藤可士和デザインに触れて生活している。昔は革新的だったそのデザインが、現代では完全にスタンダードになったということ。すごい!怖さすら感じる!
佐藤可士和(のデザイン)は、すでにこの世界にとって「空気」になったということなのだ。
そこで思い出したのが『せかいでいちばんつよい国』という絵本。
ネタバレになりますが、ひとことでいうと「文化を司った者が国を制する」というおはなし。
強い軍隊で攻め込んで征服したはずが、軍隊のみんなもその国の文化にすっかりなじんじゃって、楽しく生活しちゃう。
文化は剣より強し(だからこそ強権下で芸術は弾圧にも遭うのでしょう)。
そう考えると、佐藤可士和は日本をある意味支配したともいえるのかもしれない。
彼のデザインは、私たちの生活にすっかり根付き、分かちがたいものになっているのだから。
それを悪だと言いたいのではないですが、そういうことに注意深くなる心は忘れずにおきたいと思います。
めっちゃフルネームで「佐藤可士和」と呼び捨てで書きまくってしまいましたが、現存するアーティストで日本人でってときはどう表記するのがいいのでしょうね。
敬称入れたほうがいいのかな…スミマセン。